「とにかく今は会えません。」

「ぶー」


男子生徒はまだ喋っている。

今はカーテンしまってるし、ばれないだろう。


「…葵、葵」

「…」


小さく名前を呼ぶが、返事が来ない。

上を向くと葵は寝息を立てていた。


「葵!」

「…」


肩の辺りを軽く叩いても返事無し。

そんなに副作用あんの?

てか寝られると私出れないから!

…寝顔やっぱ綺麗だな…

ふとこの状況を意識すると顔から火が出そうになる。

大好きな葵とこんな近くにいる。

こんなこともう一生無いかもしれない。


「…っ」


私は葵を起こさないように背中に腕を回した。

…!

これはやばい。目眩がするレベル。

でも…


「…幸せ」


大好きな人の臭いと体温に包まれている。

ドキドキするけど心地いい。

ずっとこうしてたい…。