雨の日カレシ

<紫苑side>



優衣のお母さんが亡くなって、もうすぐ2週間。


お葬式で見かけて以来、会ってない。


柴田から聞いた話だと、声が出せないらしい。



「兄ちゃん、手、止まってる」


「え?あぁ・・・」



今度中2になる弟に指摘されるとか。


俺も結構まいってる。


だって、優衣に言いたいことがありすぎる。


優衣がケータイを持っていればメールができるのに・・・って。


これはただの言い訳か。


本当に話したいなら直接会いに行けば良いんだ。


このままだと、2人とも大学生になってしまう。


俺には優衣に伝えないといけないことがあるのに。



「兄ちゃん、また止まってる。

電話だよ。正岡さんっておじさんから」


「おじさん?」



不思議に思いながらも弟から子機を受け取った。



「もしもし、代わりました。紫苑です」


『・・・岡田くんか。優衣の父です』



優衣のお父さん・・・。