雨の日カレシ




「・・・ゆ・・・い」


「・・・お母さん!?」



かすかにだけど、お母さんの声が聞こえて手が動いた。


意識が戻ったの?



「お母さん!お母さん!」


「優衣・・・生きていてくれて、ありがとう」



ゆっくりと目を開けたお母さん。


だけど、それだけ言うと、また目を閉じてしまった。


今のは私への言葉?


それとも・・・おばさん?


お母さん、教えてよ。



ピー・・・



嫌だ。


お母さん?


目を開けて、『優衣』って呼んで。


お父さんが微笑んでいる意味が分からない。


どうして落ち着いていられるの?



「午後8時27分・・・」



お医者さんの声が遠くなっていく。


もう、嫌だ。