雨の日カレシ




『門井優衣』って書いてある病室の前で深呼吸をする。


個室か。


前は相部屋だったのに。


それだけ悪いってこと?


『1ヶ月』


昨夜の里絵の言葉が蘇って来る。


『優衣、久しぶりだね』


初めはこの言葉で良いだろうか。



「ねぇ、いつまでそうしているつもり?」



里絵もさすがに呆れている。


だけど、里絵にとってはいとこでも、僕にとっては8年ぶりに会う幼なじみ。


これくらい許して欲しいよ。



「もう・・・入るよ!」



里絵が勝手にドアをノックして開けてしまった。


里絵に出会ってからというもの、僕は里絵に振り回されっぱなしだ。



「え・・・たっくん?」



弱々しいけど、どこかしっかりしている声が聞こえた。


声は変わってないんだね。



「優衣、久しぶり」


「・・・たっくん。会いたかった」