4月頭に満開になる正門前の桜並木。
夏になるとセミがうるさいんだよね。
秋になったら地面が落ち葉でいっぱいになって、冬になったら寒そうになる。
よく1人でお昼を食べに行った中庭。
人目につきそうで、実はつかない。
私にとって最高の隠れ場所だったな。
大学の資料を探した進路指導室も、先鋭と話した相談室も
毎日通った教室も、どれも宝物。
6年間という月日は長すぎる。
今日だけで整理できるようなものじゃないよ。
「なーに泣いてんの?」
私の頭に乗せられた大きくて温かい手。
声を聞いただけでわかる、岡田くん。
「だって・・・今日でお別れ・・・嫌」
泣くのは、岡田くんに告白された日以来。
普段は滅多に泣かない私が、こんな短期間に2回も泣いている。
不思議。
「ん、そうだね。6年間も通ったんだもんなぁ」
「最後の2ヶ月は最高だったよ」
いつの間にか、詩織ちゃんも加わっていた。
詩織ちゃんにとっては、今日が運命の日なのかな?
大和くんとお話しするんだよね。
その間、私と岡田くんは学校巡りをすることになっている。


