受験が終わったから雨の日だけじゃない。
晴れの日も曇りの日も、もちろん雨の日も。
岡田くんは私の彼氏。
「は・・・答辞?」
「うん、びっくりしたでしょ?
今日まで内緒にしとこうって詩織ちゃんと決めてたの」
ニコニコしてる私と詩織ちゃんの前には
口を開けたまま間抜けな顔をしている岡田くん。
『今日と卒業式の日』だけ3人で過ごすつもりが
結局ほぼ毎日一緒に過ごすことになった。
楽しいから良いんだけどね。
「じゃあ・・・晴れの日も学校行ってたってこと?」
「うん、そういうこと」
実は私、卒業式の答辞を読むことになっているんです。
それは自由登校に入って最初の登校日に先生にお願いされたこと。
そのことは詩織ちゃんにだけ明かし、岡田くんには卒業式前日まで内緒にする計画を立てた。
「はぁ・・・やられた」
思ったよりもダメージが大きかったみたい。
でも、ドッキリ大成功ってとこかな。
「で、今日は行かないの?」
詩織ちゃんがポニーテールを揺らして首をかしげた。
そういえば、髪の毛伸びたよね。
「今日は放課後。午前中は遊んどけって」