雨の日カレシ




岡田くんは知っていたかのように深く頷いた。



「看護師さんに連れられて小児科に遊びに行かなかった?」



当時の私にとって、内科は大人ばっかりでつまらなくて駄々をこねたんだ。


そしたら・・・。



「小児科に遊びに連れて行ってくれた」


「そこで、俺と出会ったんだよ。すごく仲良しになった」



思わず岡田くんの顔を見上げた。


昔を懐かしむような、でも苦しそうな顔。


どうしてそんな顔をするの?



「俺の病気は治らないって周りはみんな思ってたんだ。

だけどね、優衣は違った」



あ、何か思い出せそうかも。



「『紫苑くんの病気、絶対治るよ!優衣が一緒に頑張ってあげるね』

って言ったんだっけ」


「・・・覚えてたの?」



覚えてたんじゃない。


今、思い出したの。



「ううん。正直、今の今まで忘れてた」


「そうだよね。だけど、俺はずっと覚えてたんだ。

今思えばね、あの頃から優衣に惹かれてた」


「え・・・」



『惹かれてた』?


それに『あの頃から』って?