びっくりして顔を上げると、ドアを開けた女の子も目を丸くしていた。
この子は、何も喋ってなかった。
だけど、中の他の子が・・・。
「ちょっと、こっち」
女の子・・・柴田さんは手早くドアを閉めて、私の腕を引っ張った。
「どうしたの?」
連れて来られたのは女子トイレ。
「あの会話だもん、入れないよね。荷物取りに来たんでしょ?
机の中勝手に触るけど許してね。今取って来るから少し待ってて」
それだけ言うと、柴田さんは走って出て行った。
柴田さんとは唯一中学校の頃からずっとクラスが一緒。
そこまで親しくはないけど目には見えない絆があるって思ってる。
これも私の勝手な考えだけど。
「・・・お待たせ。はい、荷物」
「あ、ありがとう」
「ううん、良いの。それよりさ、体は大丈夫?」
ずっとトイレにいるのもアレだから、昇降口まで歩きながら話すことにした。
「実はね、まだだるいの」
「熱は?」
柴田さんは荷物を持っていない方の手で私の額を触った。
「結構高そうだよ。明日は休みなね?」
「うん・・・そうする。不安だけど」


