泣いて、泣いて……

とにかく泣いていた……

声をあげて、泣いた。

父さんの部屋の前から動けないまま……

父さんは部屋から出てきた途端に

俺の腕を強く掴み部屋に俺を放り投げたんだ。


「お前は本当に使えないな……

少し父さんの役に立ってくれるか。」

父さんに何かを頼まれたことなんて今まで

一度もなかった俺はこの時嬉しかったんだ。

父さんが俺に頼ってくれるんだ……ってさ。