先週のホームルームで班を決めたが、友達も少ない私は詩帆に任せ切りで、結局クラス委員長の川田くんと、クラスの中心的存在である中込くんと同じ班になったらしい。


私の予想だと、この中込くん。詩帆のことが好きだと思う。




今日だって班活動が始まった途端、中込くんは詩帆に駆け寄り、ニコニコしながらはしゃいでいた。


なんだか犬みたい...その必死の様子が少し可愛くて微笑ましかった。




そんな風に2人を見つめていると後ろから、あいつ犬みたいだな~ともう1人の班員である川田くんが近づいてきた。



「お疲れ、矢野。」


「お疲れ様、ねぇ、もしかして中込くんって詩帆のこと...」


「鋭いね~矢野ちゃん。ご名答です。頑張ってるからさ、応援してやってよ。」



うん、頑張ってるのはすごく伝わってくる。でも、なんだろう。その必死の様子がすこし自分と重なって、切なくなった。


さらに"私は中込くんみたいに素直に感情を表せないな"と思ってまたさらに自己安徽に陥った。



「矢ー野ー。あいつら仕事してないから、俺らでさっさと作っちゃおうぜ。」


「うん、そうだね、屋外炊飯の鉄板であるカレーをね。」



すこしふざけて言ってみると、提案者である川田くんは、だって失敗しないだろ!!と抵抗してきたりする。



男子が苦手な私だが、川田くんは2年連続で同じクラスでもあり、2年連続委員長でもあり、彼のその誰にでも好かれる明るさと気さくさが私にも気を許させてくれる。