一匹狼な彼氏と能天気な彼女




「陸斗の、バーーーカ!!!!」


あたししかいない屋上と曇り空に余韻が残る。


すると……



ガチャ…ギィ……


ドアが開く音がした。



ここは屋上だし、誰がきてもおかしくない。

まぁいっか、誰でも。


でも、さっきの叫び声を聞かれていると思うと少し恥ずかしくなって、顔を見えないように腕でおおった。



あんな叫びでは足りないあたしは、心の中で悪口の続きを言う。


陸斗のアホ!!

ねぼすけ!!

無駄にイケメン!!

陸斗の……




「誰がバカだって?」

「陸斗に決まってんじゃんっ!!」

「そうか、俺はバカか。」

「そーだよ、あんたはバカだよ!!」


………って、ん…?