一匹狼な彼氏と能天気な彼女




ヤツの手から箸でパシッとあたしの唐揚げを取り返し、そのままぱくっ。


「はひはっへひふっへんほはー!」
(なに勝手に食ってんのさー!)

「お前が悪い。」

そう言って親指をペロッと舐める金髪。


なに色気だしてんのさ、今すぐプリン頭か全部白髪になっちゃえ。


ゴクンと唐揚げを飲み込んだ。



あたしは大好きなマミーの弁当を食べられて不機嫌になった。


もういいし!口聞いてやんないもんねっ!!



フンッとヤツに背を向ける。



「なに、香瑠、怒ってんの?」


もちのろん、無言で返す。


「なぁ。」

「……。」

「おい。」

「……。」

「香瑠。」

「……。」


頭をガシガシ掻く音がきこえた。