一匹狼な彼氏と能天気な彼女




___グッ




いきなり箸を持っていた腕を掴まれ、動きを止められた。


「ちょっ……」



そして____





ぱくっ


「……うめぇじゃん。」



至近距離。これぞまさにドアップ。

あと数ミリで頬同士がくっつきそうなくらい近くに、綺麗に整った顔がある。



「…おーい、香瑠…?」

脳は活発に動いているのに、どうやらあたしの身体はフリーズしたらしい。


フリーズさせた本人はそれをいいことに、お弁当の中身を次々と食べていく。

タコさんウインナーをぱくっ。

唐揚げをぱくっ。

ミニトマトをぱくっ。

また唐揚げを………って!!


「食べ過ぎだぁーーーっ!!!」