「えーじゃない。聞いててよ?噂なんだけど、島崎って…」

キーンコーンカーンコーン…


まるで続きを言わせないかのように本鈴のチャイムが鳴った。



「あーあ、鳴っちゃった。また今度話すねー。」


そう言って自分の席に帰っていった梨紗。



噂かぁ…どうせデタラメでしょ?


あたしはそう思ってるんだけど、梨紗は噂でも本当のことかもしれないって言ってくる。



まぁ、適当に聞き流せばいっか。


そう結論を出して、あたしも席に着く。





このときはまだ、このあたしの能天気さが彼の心を救うだなんて思ってもみなかった…