「なぁ、寝てて悪かった。

………機嫌、直せよ。」


どうすれば良いのか分からないから、とりあえずいつもより少し優しめの声で謝った。



「……。」


「ごめん、桜木…許して?なぁ。」


「……。」


「じゃあどうしたら許してくれんの?」


普通だったらこんな奴面倒くさいからほっといているが、なぜかこのときの俺は桜木に許してほしいの一心だった。



桜木の顔をじっと見つめる。



「………クレープ。」


「え?」


「クレープ奢ってくれたら許してあげようっ!」



勝ち誇ったように桜木はにんまりと笑った。



「…わーったよ。行くぞ。」



「ガッツポーズっ。」



俺たちは学校をあとにして、クレープ屋へ向かった。