「ねぇ、もう6時半過ぎたんだけど。もうあと帰るだけなんだけど。」
「……?それがどうした…?」
言いたいことが分からず聞き返すと、桜木はさっきよりもさらに頬を膨らました。
俺なんか言ったか…?
「今日もまた一緒に掃除しようと思ってたのになんか一人ぐっすり爆睡してるしさぁー。誰かと一緒に掃除する楽しさ知った後に一人で掃除とすんげぇ寂しいんだぞっ!?」
フンッと怒ってそっぽ向く桜木は、まるでヘソを曲げた小さな子供のようだ。
……これはー…俺が悪いのか?
いや、もう桜木の中では俺は完全に悪い奴になってるだろうから今更何言っても無駄だな。
自分でもよく分からない罪悪感を少し抱く反面、俺と一緒に何かをしたいと言ってくれたことがなにより嬉しかった。
…自分が必要とされているようで嬉しかった。
「…なんか悪ぃ。」
そう言うが、未だにそっぽを向いたままの桜木。