一匹狼な彼氏と能天気な彼女




あたしはコーンの上から飛び上がった。


「ちょっ、おま…!」



……ギュッ!


「ナイスキャッチ!」

「バカ!あぶねぇだろーが。」

「ほらほら、早くゴールしないとっ!」

「…あとで覚えてろよ。」



そのままあたしをお姫様だっこして、


ゴールまで一直線に走った。



あたしを抱えてるのにも関わらず


前にいた選手を次々と抜かしてく陸斗は



今までで一番カッコよかった。




『ゴーーール!!
な、なんと!一番遅れをとっていた島崎が一番にゴール!!
なんという速さ!!』


会場からはさっきの狂気じみたモノはなくなり、拍手と歓声があがった。



「やったね陸斗!1位だよ!」


呼吸を整える陸斗に抱きついた。


「ちょ、離せって…///」

「やだ、離さない!離さないから!」

「は、何言って……」

「陸斗に大切な人が見つかるまで、代わりにあたしが陸斗の傍にいるよ!」


そう陸斗の目を見ながら言って、ニッと笑った。



すると陸斗は口を手で覆い、そっぽを向いた。


耳がほんのり赤い。


照れてんな、可愛いヤツめ。



「……もういるし。」


陸斗が何かをボソッと言った気がした。



「?なんか言った?」

「…別になんも。」


ふーん、まぁ、いっか。



あっ!それより!


「ねねね!お題何だったの?」

「……それ聞く?」

「うん!聞く!」


ハァ…と溜め息を吐かれた。

そして少し考えてから、




「俺の、一番の味方。」



と、あたしの頭をぽんっと撫でて


スタスタと歩いていった。




胸がすごく熱くて



小さくなる背中をずっと見ていた。