さっきの不機嫌さよりはマシになった。
でもなんかまだ怒ってる気が……
「……お前、さっきみたいなの、絶対ぇ他の男にすんなよ。」
「う、うん……?」
よく分かんないけど、リョーカイです。
ピーンポーンパーンポーン……
『次の競技は玉入れです。出場する生徒は、入場ゲートに来るように。』
「あっ、あたし玉入れだ。」
「短距離だけじゃなかったのかよ。」
「人数足んなくてさ、仕方なく。」
「ふーん。」
「行ってくるね陸斗!応援しててよー!」
「ん、頑張れ。」
手を振ると、陸斗は振り返してくれた。
なんか、嬉しい。
走りながらハチマキを結び直した。
んーと、梨紗もいるはずなんだけどなぁ……
人混みの中を、目を凝らして進む。
………あっ、いた!

