意地悪男子の優しい理由。

「おい。飯。」



あたしの部屋のドアの前で、優があたしに呼びかける。



あの日から一週間。



良に告白された日からあたしは部屋にこもっている。



学校も休んでいる。



優はなにかを察したようで、なにもいってこない。



それはそれで嬉しいんだけど、ちょっとさみしい。



「……そこ、おいといて。」



「ん。今日も学校行かないのか？」



「うん。」



「分かった。じゃあ学校行くから。なんかあったら電話しろよ。」



「……ありがとう…。」



しばらくして、玄関のドアが閉まる音がした。



家の中が静かになったのを確認して、ご飯をとりに行く。