意地悪男子の優しい理由。

え?なにこれ…?



「やめてよ!」



良の胸を思いきり押した。



良が後ろによろける。



「どうして…?なんでこんなことするの?」



いちおうファーストキスじゃないけど。



でもでも!



「…さいてーだよ……。」



家の中にかけこんだ。



一気に部屋まで走って、ドアの前で泣いた。



良はどんな顔してた?



つい今日の午前中はいつもの優しい幼なじみだったのに。



どうして急にそんなこと。



あたしはただただ声をあげずに泣いた。