意地悪男子の優しい理由。

「なんで」



「え?」



「なんであいつなんだよ!」



え?急に大声を出した。



どうしたの…。



「なんでだよ!!ふざけんな……。」



最後の方は小さくて何て言ってるのかわからなかった。



でも良の顔は寂しそうで、泣きそうで。



小さく見えた。



それからは二人無言で歩いた。



家の前であたしはバイバイって言おうと横を向いた。



すると家の塀に押し付けられて、



「俺にしろよ…。俺はずっとお前が好きだった…。」



弱々しく、でも力強くそう言い、あたしの唇に唇を押しつけた。