接客を終えた秋穂が、二人に近づき

「本当、最近姿見えないから心配してたー」

「結婚6か月目にしてのスピード離婚。…これならありえますよね」

「妻をこれって言わなーい」

もう、ひどくないですか?秋穂さん

むくれながらもその手はしっかりと彼の腕に添えられている

彼女を見下ろす彼の瞳は、とても優しい

あんな風にずっと変わらずに彼を想って、想われていたい

ずっとずっと同じ道を歩いていたい

たとえどんなつらいことにぶつかったとしても

きっと乗り越えられると信じている

だから、

ありがとう

そっと口の中だけでそうつぶやいて、温もりのあるドアを押し開けた砂都美の背を

「でね、秋穂さん。今日はねご報告があってきました。なんと、実は、無事安定期入りましたー!!」

嬉しそうな彼女の声が見送った