「旦那さんや娘さんの気持ちをちゃんと聞かずに一方的に別れるなんて、結局逃げてるだけじゃないですか」

「俺が好きなチーフは、厳しくて絶対妥協しない、でも優しくてちょっと脆い人なんです」

だから、もう自分を許してちゃんと前に進んでください

凛とした彼の言葉と瞳

ああ、これは柊二と同じだ

まだ許せないか?

そう問いた時の彼と同じ

「いいのかな、もう一度って願っても」

「当ったり前じゃないですか!!女の子は誰だって幸せになる権利を持ってるんですよ!!!」

テーブルの反対側から身を乗り出してくる大林の勢いに少し気圧されながら

「珍しくいいこと言うのねー」

と隣から芽衣が茶々を入れる

「…受け売りっすよ。前にお世話になった女医さんの」

女医…