「で!!チーフ!!いい加減教えてくださいよ!!」

ドン、とジョッキをテーブルに勢いよく置きつつ、少々呂律の危ない竣

「何を?」

対する砂都美とその隣に座る芽衣は、同じくジョッキを仰いでいるが、全くの素面

「何を、じゃないですよ!!この間、バレンタインにチーフを訪ねてきてた人です!!」

隣で芽衣が、

「あんた、それまだ気にしてたの。バレンタインなんてもう先月の話じゃない」

と冷静な突っ込みをかましている

「ああ、あれ」

く、とジョッキを一仰ぎしてから

「元、旦那よ」

さらりと告げられた自分は、ちゃんと前に進めているらしい

「…旦那…!?」

さすがの芽衣も驚いて枝豆が手元から落ちている

「そ。元だけどね」

「あんた結婚してたの?しかもバツイチ」