こうして向かい合ったのはいつ振りだろうか

少し気まずさを感じながらそっと紅茶を口に含む

「砂都美」

真面目な話をするとき、彼は決まって砂都美と呼ぶ

「仕事、どうだ」

少し躊躇してから口を開いた柊二

「順調よ。これでも最年少女性チーフですから」

「そっか。頑張ったんだな」

自分のことのようにうれしそうに笑う彼の笑顔が、少し心に痛い

「あー、っとこないだのやつは新しい男か?」

沈黙をどう過ごしていいかわからなくなり、柊二が口を開く

懐かしい、慣れた感覚に、時々気遣いと戸惑いが混ざる

「こないだ?」

記憶を手繰る砂都美に

「なんだ。この間砂都の会社に行ったときに後ろにいた」

と補足説明する