いつものように
店に出勤、
その日のお客は
店のバックに
ついていた
組事務所の2人と
一見のお客の1人。

一見のお客が
次から次へと
ビールをたいらげ、
カラオケを歌い
ほろ酔い加減だった。

精算する時に
お金を持っていないと
言い出し、
こちらの店側も
払ってもらわなきゃ
困るので
何とかして払うよう
要求したその瞬間、
その一見のお客は
上着の内ポケットから
サッとナイフを出し、
ナイフを向けて来た。

一見『払うような金なんかあるかぇ!!刺したろかぁっ?!』

と、怒鳴り出した。

ヤバいなぁ…

と思いながらも
何とかしないと
いけない状況。

華に警察に
電話するように
促し、私は
一見をカウンターの中から宥めた。

刺される覚悟で。

華は、日本語が
まだカタコト
だったので
警察に電話を
かけるのにどうすればいいのか、オロオロと
した状態だった。

一見『わしは、帰るど!!』

っと、
千鳥足で席を
立った瞬間、
店のバックの
組事務所の人の
1人が、サッと立ち、
一見が店の入り口に
背を向いた瞬間に
後ろから腕を掴み、
ナイフを取り上げた。