どこにでもあるような喫茶店の空間で
橋内さんの方から
口を開いた。


橋内『いやぁ、ほら、何回、祢々に電話しても出ぇへんから心配になってな。』

祢々『うん…。』

橋内『…店に行こうと思ったんやけどな、店でやったらこんな話できんやろ、だから家にな、様子見にきたんや。』

祢々『うん。』

橋内『…元気にしてたか?』

祢々『うん。めっちゃ元気にしてたよ。見ての通り(笑)』

橋内『そうかそうか、それやったらよかった。最近、どうしてたんや?店には出てるんか?』

祢々『店出てるよ。毎日店出てるよ。だって開け閉め頼まれてるのに勝手休みできやんやん?(笑)』


橋内『そやな。…なぁ、祢々…。あのな…。』

祢々『どうしたん?そんな真剣なって(笑)』

橋内『前にほら、俺ゆうたやんかぁ?結婚がな、今すぐ無理やってゆうんやったらな、付き合えへんか?俺はな、祢々がほんまに大事なんや。祢々と祢々の息子を幸せにしてあげたいんや。』

祢々『祢々、今、幸せやで(笑)』

橋内『うん、うん。祢々が幸せやないってゆうてるんちゃうで。ほら、祢々って苦労してると思うねん。だから楽さしてやりたいなと思うてな。』

祢々『苦労してるかぁ~?そんなことないで(笑)苦労を苦労と思ってないし(笑)』

橋内『俺やったらあかんか?結婚前提に俺と一緒になってくれへんか?』


店のこともあり
彼氏が出来たなどと
言える訳がなかった。

祢々『色々あるし、今は結婚とか考えてないし、祢々やりたいこといっぱいあるし。』

橋内『今すぐに結婚してくれとは言わんから、考えといてくれへんか。』

祢々『考えても祢々の答えは変わらんと思う。』

橋内『祢々のやりたいこと何でもさしたるから、だから頼むから考えて。な?』

祢々『…。わかった。考えてはみるけど、きっと祢々の答えは変わらんで?』

橋内『うん。とりあえずほんまに考えてみてくれ。頼むから。』

祢々『…。』

橋内『今日は店出るんやろ?』

祢々『うん、勿論。』

橋内『そうか。…。じゃぁ、あんまり時間もないな。これ飲んだら出よか。』

こんな会話をし、
頼んだアイスコーヒーを飲み終え喫茶店を出た。