親に反対されて
当たり前の十代。

浩は
婚姻届を
役所でもらって
来ていた。

『祢々が、18歳になったら、籍入れよ。そのためにも俺頑張るし婚姻届に2人でサインして、この婚姻届持っとこ。』

馬鹿だった。

馬鹿な私は
親の許可なしに
婚姻届を受理される
わけないし、
サインぐらいなら
大丈夫か。

なんて
浅はかな気持ちで
自分の名前を
書いた。

それから
役所に用事が
あり、判明したのが
その婚姻届が
受理されており、
名字が変わっていた。

宮本 祢々

から

棚橋 祢々に─。

知らぬ間の入籍─。

そう、
浩が、親のふりをして
親の同意欄にサインし
あっさりそれが
受理されてしまった。

また再び
母は激怒。

この度は
祖母も激怒した。

勝手な事をした事から
自分達で生活しろと
強いられ、
日払いのマンションに
暮らしたのだが、
やはり浩の仕事も
ままならず、
出てゆく羽目に。

同じ職場なら
仕事をしてくれるのではないかと思い、
2人でパチンコ屋の
住み込みへ
いくことになった。