あたしの証~番外編~

慌てふためく哲を横目で見ながら俺は。

「ふ~ん?」

そう漏らす。


「あっ、夏樹までっ」


しゅんとする哲に信司が笑いながら言った。


「まっ、哲、空手初段だから」


「えっ?」


空手初段……?



「信司、何で言うんだよ~俺の家が道場なだけだろ」


「道場…」


「あっ、そうなんだよ、夏樹!
まあ~…一人息子の俺がこんなグレ方してるから親は見限ってるけど」


それから哲ははははっと、自嘲した。



「………哲」




初めて、哲の陰を見た気がした。
いつもおちゃらけて底なしに明るかった哲。




だけど。
やっぱ胸に抱えてるもんってのはあるんだよな。

誰にでも。



「あっ、俺の話で暗くなるのなしねっ」


慌てて哲が言うと、信司がわかってかわかってないのか


「……夏樹、痩せてよかったな」


と、呟いた。