「じゃっ、カラオケ行こうっ」
こっちの名前も軽く言って、俺達はそのままカラオケに入った。
向き合うように男女別れて座っていたけど、哲が席替えターイムと言って勝手に移動をさせていた。
哲はまきちゃんと。
信司はみほこと。
紀人はりさと。
…俺はしほと。
な、何喋ったらいいんだ…?
頭が真っ白で何も浮かばない。
緊張してる俺にしほが先に言葉を発した。
「夏樹ー…って呼んでいい?」
「えっ?」
「なんか、君とか、あんま好きじゃなくて。
いきなり馴れ馴れしいかな」
「あ、全然。
じゃあ、俺もしほでいいかな」
「……うん」
そう、笑った顔が綺麗で。
また、俺は一目惚れをしていた。


