「…なつき、モテんの?」



あたしは気になってたことをストレートに聞いてみた。
だって、あまりにも気になるから。


「…モテません!てか、俺はあかりと付き合ってんだから他興味ないの」


さっきよりも更に眉間に皺を寄せてぴしゃりと言い放つ。


「……はああい」



少し釈然としないけど、これ以上ごねたら、なつきが怒りそうだからやめといた。


そこに。


ピンポーン

インターホンが鳴り響き、来客があることを知らせた。


「あ」


「予約客来た、あかり」


「はいっ」


あたしはすくっと立ち上がってから、座ってるさりなさんの方を向いて

「ゆっくりしてって下さい」

と言って慌ててなつきの後を追った。



予約のお客さんは若い女の子だった。
そういえばホームページになつきの写真が載ってから、若い女の子のお客さん増えた気がする。



最初は彫師の顔はきょうさんしか載ってなかったし。