暫くそこから動けなかった俺を、りなが呼びに来る。


「ゆうや?ご飯出来たわよ?」


座り込んで、通帳片手に俯く俺。


「……ゆうや?何それ」


りなは俺の横にしゃがみ込むと、通帳を覗き込んだ。



「………」


それから、机の上に乗っている便箋を震える手で取った。



「……バカ、ね。あかりちゃん」


全く、俺とおんなじ事を言うりな。
折角引いたのに、また目から大粒の涙が零れ落ちる。


「それは、使えないな」

「…ええ、そうね」


あかりの将来の為に。


ここから、俺がまた貯めてやる。



そん時にいらねえって言って突っ返して来たって、受け取らねえからな。