【ゆうやと、りなさんへ】



どうやら、あかりからの手紙らしい。
封筒の中は何やら分厚い。


…何だ、これは。


丁寧に封を開けると、中身を取り出す。
それを見て、俺は目を見張った。


「……」


声が、言葉が、出ない。



通帳とキャッシュカード。
それと一枚の便箋。




【私のお礼の気持ちです。
あの日、私を拾ってくれてありがとう。
        あかり】



その通帳をパラパラと捲ると、毎月毎月貯金していたのがわかる。
少しずつでも、コツコツと。


…その金額は100万を優に超えていた。



「……バカか、あかりは。
金なんていらねえって言ってんのに」



この金で、少しでも自分の為に何かを買えばよかったのに。




最後の、最後まで。


あかりはあかりでいたんだ。