あたしの証～番外編～

「さて、ご飯作らなくちゃね」

「…今日ぐらいはどっかで食べよう」

「いいのよ、作りたい気分なの」

「そうか。なら頼む」

「少しだけ待っててね」



りなが早速、エプロンをつけてキッチンに向かったのを確認すると、俺は風呂に入ろうと思い一度自分の部屋へと戻った。
それから、着替えを手にして浴室に向かう途中。


あかりの部屋の扉が少しだけ開いてる事に気付いた。


閉めようと、扉の前まで行きノブに手をかける。


その時、あかりとの初めての会話を思い出した。


“辛気くせえな…”



あの時は泣きじゃくるあかりを、ただ単純にめんどくせえと思った。

女は皆、一緒だって思った。


涙が武器になると思ってて、いつでもしたたかで。


だから、あかりみたく、真っ直ぐに俺にもりなにもぶつかって来るヤツなんて初めてだった。



ギィっと音を立てて、扉を開ける。