「それじゃあ、今までありがとうね!また」
そう言って、あかりは玄関の扉を開けた。
りなは手を振ってその姿を見送る。
パタンと扉が閉まっても、りなはその場を動こうとしない。
俺はゆっくりと近付き、後ろから抱き締めて肩に顎をつける。
小刻みに震えるりなを、落ち着かせる様に俺はいつまでも抱き締めた。
「それは、悲しい涙じゃないよな?嬉し涙だよな?」
「…っ、当たり前、でしょ」
「そうだな」
あかりは大丈夫だ、りな。
思えば、願えば。
いつだって会えるんだ。
きっと、お互い遠慮して会わなくなるだろうけど。
俺達はかけがえのない家族なんだから。
一しきり泣いたりなが俺の方を向くと、にっこりと笑顔になる。


