「ちゃんと食べるのよ、あかりちゃんは細いんだから」
「うん」
「後、何かあったら連絡するのよ」
「うん」
「新しい職場とかであかりちゃんを虐めるヤツがいたら許さないから」
「ふふ、うん」
「後ね、後はね」
「あはは、りなさん。また必ず来るから」
「…そうね」
「次はなつき、連れて来るよ」
「あら。それは楽しみだわ」
…夏樹だと?
俺は別に会いたくないが。
俺の顔が険しくなったらしく、それを見たあかりがまたふふっと笑った。
名残惜しそうに玄関のノブに手をかけるあかり。
そのあかりに俺は一つだけ、質問を投げかけた。
「本当に幸せになれるんだよな?」
もしも、これからの未来があかりにとって幸せなモノじゃないなら俺は許せない。
あかりは、誰よりも幸せになるべきなんだ。
俺の質問に、目を真ん丸にした後。
「これ以上の幸せ、もう見つけられない!」
あかりはハッキリと、今日一番の笑顔で言ったんだ。


