「もしもし、ゆうやさん!」
「ああ、咲夜?どう?」
「はい、お陰様で満席でした」
「そうか」
「昨日はありがとうございます」
「いや。…また顔見せるわ」
「そうして下さい」
そう言って、俺は電話を切った。
ふっと、手にあるプレゼントが目に入ると俺は口角をゆっくりと上げる。
あかりは喜ぶだろうか。
…いや、あかりならどんなモノだろうと喜ぶだろう。
その顔を早く見たい。
嬉しそうに笑うその顔を。
家に帰ると、あかりが出迎えてくれる。
「ゆうや!お帰りなさい」
本当に、自分の子供の様にあかりは仕事を辞めてから毎日出迎えてくれた。
毎日しなくていいと言ったけど、そこは頑としてきかない。
「ただいま。あかり」
「何?」
そう言って、靴を脱ぎながら俺は紙袋を手渡す。
あかりは受け取ったはいいが、何なのかわかっていない様子。
もしかして、紙袋を持ってろと思ったかもしれない。


