「…何ですか、それ」
「……ああ」
「プレゼントですか?」
「まあ、そんなとこだ」
「オーナーが…珍しいですね」
「……」
それはわかっている。
「誰にも何も言うな。見た事は忘れろ」
「言いませんよ、言いませんけど。…くく」
笑いを堪えてる拓海を、一睨みすると拓海は俺から視線を逸らした。
「まあ、この紙袋にでも入れておいて下さい」
「……」
拓海がそう言いながら、無地の紙袋を出してくれてその中へと俺は素直に入れる。
ここに入って来た従業員が、見る度に突っ込みいれそうだし、この申し出は助かった。
それから、無事に仕事が終わり、すぐに俺はその紙袋を持って店を後にする。
外に出てタクシーに乗り込むと、携帯を取り出して咲夜に連絡をした。


