「大丈夫です、ゆうやさん」
一応、ハッキリ話してるし、平気か。
「何かあったら言えよ」
「はい~」
そう咲夜に言うと、俺はバックヤードへと入る。
売り上げも上々だ。
やはり最初って肝心だから、この賑わいは素直に嬉しい。
これから、色々な事で悩むだろうけど、咲夜なら大丈夫だろう。
ラストまで咲夜は引っ切り無しに客の相手をしていた。
「お疲れ、咲夜」
ソファに突っ伏している咲夜にそう声をかけると、咲夜はゆっくり頭を上げて焦点の合わない目で俺を見上げた。
それにくくくっと笑みを零す。
「ほら、水飲んでおけ」
「すみませ~ん」
ミネラルウォーターを受け取ると、咲夜はまたソファに突っ伏した。
もう、苦笑しか出ない。


