あたしの証~番外編~

「お待たせしました」

「あ、もうそんな時間?」

「いや、もう少し平気」

「んじゃ、ちょっと外に出てご飯でも行く?」

「何か、色々おかしいな」

「どこが」


ホストクラブハシゴして、その間に飯屋挟むって辺りが。
しかも、俺付き。


皐は会計を済ますと、新人ホストを見ながら

「ダメねえ、あれ」

と言い捨てた。


ちらっとそう言われたスタッフに目をやる。
宗吾か。
まあ、まだ入って二日だしな。

ただ、皐は中々見る目があるというか。
だから、受け流すのではなく、きちんと心に留めておく。


「なんか、ゆうや。優しくなったわよねえ」


並んで歩くと、皐は淡々とそう言った。



「そうか?」

「ええ、ちょっと驚いてるわ」

「…わかんねえな。俺は」

「でしょうね。んー何だろう?言動?いや、顔付き?
わかんないけど、優しくなったかなー」

「…そうか」

「私は昔のゆうやの方がミステリアスで好きだったわ」

「はは、何だそれ」

「まあ、どっちにしろ、私はゆうや以外指名する気ないけどねー」

「いっつも助かってます」

「うっわ、そんな定型文いらない」

「くくく」


喉を鳴らして笑うと、皐も笑っていた。