家に着いて、眠るりなの隣に潜り込む。
俺に気付いたりなが、
「お帰りなさい。お疲れ様」
と声をかける。
「悪い、起こしたか?」
「ううん」
りなは首を振ると、俺に寄り添う。
それがとても温かくて、自然と瞼が閉じて行った。
新店オープン当日。
咲夜は新調したスーツを身に纏い、緊張した面持ちでその時間が来るまでやり残しがないか確認をしていた。
「一旦、出るな。皐と一緒に来るわ」
スタッフはうちの従業員と、新規でスカウトした数名。
その数名はここで働く前にRLFで働かせてノウハウを勉強させた。
本当はもっといたけど、逃げてったヤツ数名。
こんな世界だから、入れ替わり立ち替わりは激しい。
RLFは拓海が見ている。
拓海はなんだかんだ、凄く頼りになる。
信頼してるスタッフの一人だ。
俺は店を出ると俺の店にいるだろう、皐を迎えに向かった。
店に戻ると、皐が新人ホストに酒を飲ませていた。
まったく、皐は。
俺ははあっと息をつくと、皐を呼ぶ。


