「ふふ、久々に泣いちゃった」
「…そうだな」
「ゆうや、ありがとう。寝ましょうか」
「ああ」
立ち上がろうとするりなの手を掴むと、俺は一度キスをした。
それから、もう一度。
りなは素直に受け入れると、目尻を下げてふふっと笑った。
「ゆうや、好きよ」
「俺もだ」
その日。
俺とりなは、抱き締め合って眠りに就いた。
翌日からりなは、あかりが出て行くまでの間。
なるべくあかりと過ごそうと思ったのか、仕事を早めに切り上げたりしていた。
俺も出来たら一緒にいてやりたかったが、『光明―Akari―』のオープン間近で抜ける事が出来ずにいた。
今日も目の前には咲夜の顔。
「……はあ」
「何で俺の顔を見て溜め息ですか。ゆうやさん」
店のチェックに来た俺と咲夜。
オープンは明後日。
塗装もほぼ終わっていて、後は細かいモノを陳列したりだ。


