「りな」
「…取り乱して、ごめんなさい」
「……いや」
それは全く気にしてない。
少しだけ驚いたが。
それほど、りなはあかりが大事なんだと思えるから。
「大丈夫か」
「…ええ」
りなは一度、首を縦に振るとまた顔を手で覆う。
それから、
「少しだけ…こうしてて貰っていい?」
そう言った。
それにふっと笑みが漏れる。
「…少しだけじゃなく、気の済むまでいくらでもしてやる」
「ありがとう」
俺はりなをぎゅうっと抱き締めると、りなは胸に顔を押し当てた。
肩は震えていて、微かに嗚咽が漏れている。
それを俺は黙って、抱き締め続けた。
暫くして、落ち着いたりなは少しだけ腫らした目で微笑む。


