俺はりなの肩を抱くと、
「仕方ない。あかりはずっとここにはいられないのはわかってただろ?」
そう諭す様に言った。
「…そうだけど」
何度となく、そういった話はして来たし、俺よりも先にりなが出て行くかもしれないと思っていた。
だから、心の準備はとっくに出来てたと思ってた。
…それでも、嫌だったんだな。
あかりはりなを真っ直ぐに見つめて、眉を下げて辛そうな顔をしている。
あかりだって、出て行きたいわけではないんだ。
そうしないといけないと思ってるだけであって。
「あかり、大丈夫だ。今はりなも動揺してるだけだ。
暫くしたら落ち着く。
明日も仕事だろ?もう職場には話したのか?」
「…今日、話すよ」
「そうか。したら、後少し寝ておけ」
「うん」
あかりはりなが気になるのか、こっちを何度も見ていたが、俺が大丈夫だ、って意味も込めて頷くとあかりも頷いた。
自室に入ったのを確認してから、俺はりなの顔を覗き込む。


