椅子にあかりが座り、りなもコーヒーを持って来て俺の隣に座ると、あかりが話し出した。
「…あのね、なつきとうまくいった」
「え」
「本当に!?」
りなは手を口に当てて、吃驚している。
あかりは少し照れ臭そうだ。
「うん、付き合う事になったよ。
なつきも私の事好きでいてくれたんだって」
ああ、やっぱりな。
どうして、こんなに拗れたんだろうか。
「それで、ね」
笑顔から一転。
その顔を曇らせると、あかりは言葉を濁す。
言いにくそうにしていたが、意を決したのか口を開く。
「…私、ここを出て行く事にした」
そう言った後、あかりは俯いている。
わかった、そう言おうとした時だ。
「嫌!やっぱりあかりちゃんがいなくなるの嫌!」
「…りなさん」
「寂し過ぎるわ!」
りなは顔を手で覆う。


