それから、あかりと話す時間が余り取れずにいた。
俺は朝方帰宅で、あかりは朝方出勤だから当たり前だろうけども。
今までもすれ違いはあったから。
やっと話せたのは、あかりの休みの日。
昼頃起きて、リビングに向かうと。
「あ、ゆうや」
ソファに座っているあかりは俺に気付き、笑顔を見せた。
「りなは?」
「買い物行ったよ」
「そうか」
「コーヒー飲む?」
「ん」
「わかった」
あかりは立ち上がって、キッチンに向かいコーヒーを片手に戻って来る。
それを俺に差し出してから。
「今日、また入れて来る」
そう言った。
「…そうか」
「へへ」
「…ちゃんと伝えられたか?」
「うん」
「そうか」
なら、何も言う事はない。
あかりが後悔してないなら、それでいい。


