「笑って送ってあげなきゃね」
「…今生の別れじゃないしな」
「そうよね」
「あかりは家族だろ?俺達の」
「…ええ。例えあかりちゃんがそう思ってなくても。
私達はそう思ってるわ」
「ああ」
俺はそれでも悲しそうな顔を見せるりなの頬を撫でる。
あかりが出て行ったら、今までの様に会える事がないのはわかってたから。
実際、咲夜と暮らしてた時は連絡すら寄越さなかった。
あかりは俺達の事も大事に思うだろうけど、一緒にいるヤツを一番に考える。
そういうヤツなんだ。
その日から、あかりは前にも増して物欲が減った気がする。
やっぱり、家を出ようとしてるんだと思う。
俺が出してやるって言っても、断るんだろう。
だから、敢えて何も言わないでいた。


