「…咲夜なら忘れた方がいい」
諦めるように言う俺を真っ直ぐと見る。
「な、んで…?れんはあたしのこと待ってるんだよ…
あたしだけが救いなんだよ」
最後は独りごとのように呟いていたあかりにもう、何も言えなかった。
それから、だ。
あかりが無気力になってしまって。
仕事をこなして帰宅してから家にいる間は人形のようにぼーっとして。
生きてるのかすらわからないぐらい。
日に日に痩せて行くあかりを見るのは…。
俺もりなも辛かった。
だけど、咲夜を会わせるわけにはいかない。
咲夜は咲夜で我慢してて。
苦しくて辛いんだ。
「…あかりちゃん、痩せたわよね」
「……ああ」
あかりが仕事に出かけてからりなが俺に言う。
それに静かに頷く。


