あたしの証~番外編~

「咲夜、片付けするぞ」

「……は、い」


声も震わせる咲夜に敢えて気付かない振りをした。


それから咲夜も俺もその日のことには触れなかった。
お互い、もうそのことについて話すことはなかったし。
俺の気持ちも咲夜に伝えたから。


結局、咲夜はあかりが退院するまで病院には姿を見せなかった。


きっと、これは咲夜なりに考えたケジメ。
俺はそれを尊重しようと思った。


あかりが退院する前日、俺を急に呼び出した咲夜と向き合う。


「いきなりすみません。
…これ、渡してください」


店では無理なんで、と加えながら渡してきたのはあかりの洋服。


「ん。渡しておく。用はこれだけ?」

「あ、はい」

頷く咲夜にじゃあ、と言って俺は車に乗り込もうとした。

それを咲夜が阻止する。