「今日は片付けに追われますね」
………辺りを見回すと、警察が荒らしたまんまだった。
思わず溜息をつくと、店の扉が開く。
「おい、咲夜!」
その声に俺はぱっと入口を見た。
そこには、バツが悪そうな顔をした咲夜がいた。
「……すみません、迷惑かけて」
「本当だよ、お前!片付けしろ、片付け」
拓海が茶化すように言うって咲夜の肩を叩く。
俺に視線を合わそうとしない。
そりゃそうだ。
昨日、今日で何も気にしてない態度を取れるほど咲夜は器用じゃない。
「…拓海、ちょっと咲夜連れてっていい?」
「え?」
「あーすぐ戻る。
五分…ぐらい?」
「ああ、わかった。
殴るなよ」
「顔はやめとく」
その返事に咲夜の顔が凍りつく。
その顔を見て俺はははっと笑って肩をぽんぽんしながら。
「もう、殴らねーよ」
そう、言った。


